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2016年7月9日土曜日

金峯山寺「蓮華会」蛙飛び行事*

7月7日「奥田の蓮取り行事」から吉野金峯山寺「蓮華会」へ。
午前中に奥田の捨篠池で摘み取られた蓮の蕾108本は、吉野へ運ばれる途中に、13時頃 六田にて初花権現大護摩供が営まれて、その後に吉野到着。
15時頃より蓮華行列が、吉野ケーブル山上終点前より出発します。

蓮華会行列の前に太鼓台で担がれていく蛙さん。
今回は、行者さん達について行列に参列していますので、太鼓台が蔵王堂へと、あの急な階段を駆け上がっていく様子を拝見できませんでした。次回にまた見学の機会があれば、そういうところも見てみたいです。
さて、境内に入った私たち「笑の会」一行は特別席にて観覧いたします。
蓮華の蕾や宝輿ほうよが蔵王堂へと運ばれていき
行者さん達や金峯山寺の僧侶の皆さま、管長猊下と入堂されて、蔵王堂内では蓮華会法要が営まれます。
その後、16時頃より、いよいよ蛙飛び行事の始まりです。
神妙な様子の蛙さんが、花道を僧侶に手を引かれて台座に着きます。

本当に神妙な様子で何ともユーモラスな蛙さん。
管長猊下はじめ、高僧の方々が席に着かれ
鉦が鳴らされるとカエルが跳ねるように花道を進んでいきます。
最初は管長猊下の前へ進み、いったん元の台座に戻ります。

その後、今度は右の高僧の前に進み、また元の位置に戻って
次に左の高僧の前に進んで、また元の位置に戻ります。

そして最後に再び正面の管長猊下の前へ進み、蔵王権現さま、役行者さま、金峯山寺のお坊さま、修験者の皆さんの念力のおかげで、お坊さまに被り物を取られ、ようやく人間の姿に戻ります。
蛙飛び行事の一部を、インスタグラムに動画投稿しています→  
ぴょこたんぴょこたんと、猛暑の中、花道を何度も往復する蛙の姿に思わずエールを送りながら、最後にようやく人間の姿に戻されてよかったーと、感情移入して拝見しておりました。
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「蛙飛び行事」の由来は・・・
およそ1000年前ほど前の話。ある傲慢な男が、大峯山山上ヶ岳へ登り、蔵王権現様や仏法を誹る暴言を吐いたところ、たちどころに仏罰が下り、大鷲に拐われて大峯山中の断崖絶壁の上に置き去りにされたそう。ちょうど通り合わせた金峯山寺の高僧が憐れに思い、その男を蛙の姿に変えて助け出したそうです。その後、吉野山に連れて帰り、蔵王堂で一山僧侶の読経の功徳によって元の姿に戻したという言い伝えを、この行事は伝えています。
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蛙飛び行事が終わって17持頃より、採灯大護摩供が執り行われます。
猛暑日のこの日、すでに相当疲れが出ていて、護摩供法要の写真は

護摩壇に火をくべる前の様々な儀式の一つ「法弓作法」のみ。
もうもうと上がる白煙。
般若心経やご真言などが唱えられ、一心不乱のお唱えの中、自分の意識も一瞬どこかへ飛んで行ったような・・・。
相当な疲れが出てきたようで、最後まで拝見せず帰路につくことにしました。
蔵王権現様にご挨拶し、吉野山の旧知の皆さんにもご挨拶に寄って、山を下りていくと、ちょうどケーブルの最終時刻に間に合いました。
長く楽しい一日でした。
今回、初めのことで見落とした場面もたくさんあるので、機会を作ってまた伺いたいと思っています。
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「蓮華会」行事はこの後、翌日早朝から、修験者によって大峯山山頂までの祠に蓮花を奉納していく儀式が続きます。
蔵王権現さま、役行者さまと共にある吉野山の大いなる祈りの心を垣間見せていただけた行事でした。どうもありがとうございました。