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2016年7月8日金曜日

奥田の蓮取り行事*

7月7日。休館中だからできたこと、ずっと行ってみたかった念願の「奥田の蓮取り行事」へ行ってきました。
すでにインスタグラムで実況中継していたので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ブログにも詳細をアップしておきます。
当日は無料送迎バスが15分間隔で運転されます。
近鉄大和高田駅→JR高田駅→近鉄高田市駅→奥田捨篠池というルート。私は近鉄高田市駅まで出て(奈良駅から2回乗り換え、所要時間約50分)バスを待ったのですが、来るバスはすでに満員になって中々乗車できません。
でも、高田市駅発9:25と9:40のバスは複数台で発車して、そのうちの一台は高田市駅始発だそうで、待っていればそのバスに乗ることができます。
そこから約20分ほどで、奥田捨篠池に到着。
蓮池は思った以上に大きくて、蓮も背丈が高くてりっぱです。
当日の時間の流れはこちらに詳しいですが・・・
10時から始まる「蓮取り行事」ですが、式典の来賓挨拶や蓮華献花などが長く続き、蓮取り舟が出たのは10時25分頃からでした。
座って法螺貝を吹く修験者2人と舟をこぐ2人と花を摘み取る人の5人が舟に乗っています。
蓮取り舟は蓮に隠れて見えませんが、およそ10分ほど、法螺貝の響く中を、清らかな蓮の蕾を摘み取っていかれます。
摘み取る蓮の数は人間の煩悩の数といわれる108本だそうです。
ただ、ここでの摘み取りは形式的なもので、すでに早朝に、必要な本数は摘み取り終わっているようです。
摘み取った蓮の蕾は、吉野金峯山寺の「蓮華会」に奉献するためのもので
こちらに謂れなどが書かれています。
その後は、蓮取りを終えた修験者一行は近くの善教寺に集合し、行者堂(役小角の誕生所)と刀良売の墓を参拝、蓮の花を献じて供養します。
(早朝に摘み取られた蓮華の蕾が善教寺にありました。)
そして、捨篠池に戻って池畔を一周。
捨篠池となりの弁天神社で護摩供法要を行った後に、蓮華を携え吉野に向かいます。写真は護摩供法要の準備が整った弁天神社です。
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捨篠池から帰りの無料シャトルバスは30分ごとに発車しています。
蓮取り行事の後の諸行事を見ていると、吉野着が遅れるので、私は11時発のバスに乗って高田市駅へ向かいました。
吉野、蔵王堂で営まれる蓮華会・蛙飛び行事は16時からですが、その前に、吉野山の女将の会「笑の会」の皆さんと合流して、蛙飛び行事に参列させていただくことにしているのです。
吉野山に到着後、竹林院でお昼をいただき、優雅に休憩して
その後、蓮華を携え金峯山寺に向かう行者さんたちと一緒に蓮華行列に参列させていただきました。(続く)

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「奥田の蓮取り行事」について++
大和高田市のHPより

7月7日、七夕の日、市内奥田で、1300年を超える歴史をもつ「蓮取り行事」がおこなわれます。
室町時代から連綿とおこなわれてきた吉野山金峯山寺における「蓮華会」の一連の行事であるとともに、役行者の母・刀良売にまつわる「ひとつ目蛙」の伝承に深い関わりをもつ行事で、奈良県の無形民俗文化財に指定されています。
この日、捨篠池では、蓮取り舟に乗って、古式にのっとりおごそかに蓮切りがおこなわれます。その後、善教寺に集まった修験者たちが、勇ましい法螺貝の音とともに、福田寺・行者堂から、役行者の母・刀良売の墓に蓮花を献じて供養し、続いて、捨篠池に隣接する弁天神社で、護摩法要が営まれます。
こののち、修験者の一行は、吉野山金峯山寺・蔵王堂までの祠に、道中、蓮花を献じながら、蔵王堂での「蓮華会」「蛙とび行事」に参加したのち、これらの蓮花は修験者によって、大峰山頂上までの祠に供えられます。