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2016年1月20日水曜日

葛と遊ぶ「葛会」*中井春風堂

2013年9月に奈良倶楽部で開催した中井春風堂さんによる「美しい葛を知る」という会をご縁に、吉野へ行けば中井さんところを訪ねて美味しい葛をいただいています。(ブログ内過去記事→ 
吉野本葛と向き合ううちに、葛の魅力に取り憑かれ、葛の究極の美味しさを引き出すことに真摯に向き合ってこられた中井さんが辿り着かれたのが、本葛餅や本葛きりの美味しさの賞味期限は10分!という、作りたての最高の味わいをお客さまに召し上がっていただくこと。
葛本来の味を引き出すために、注文を頂いてから作り、その様子を店頭での実演でご覧いただけるようにもされています。
(これはお店のお客様にだけではなく、吉野山にこられた多くの方にも葛の魅力を伝えたいと葛菓子工房の窓を道路に面して開放し、店の前を通られた方々が葛菓子製作を自由に見学していただけるようにという想いもあってのスタイルなのです。)
そして、もっとゆっくりと時間を取って葛の魅力を身近に知って美味しく召し上がっていただきたいと、店舗の階下に「葛会」のための空間を作られて、少人数による葛を楽しむ会を開いてらっしゃいます。
また、もっと「葛」を世界に発信したいと、葛に関するいろんな情報をまとめた冊子も制作されているところで、その冊子の中の、お客様と一緒に楽しむ「葛会」の特集ページのために昨日はお招きをいただきました。(冊子の内容はいずれWEBでも公開されます。)
「葛会」の様子は、中井春風堂HPの中の「葛会」ページに詳細が載っていますし、奈良倶楽部でのWSでも重なる部分があり、それについても書いていますのでそちらをご覧いただくとして。
ブログでは、そこからのこぼれ話などを・・・。
まず最初にいただいた「吉野本葛湯」↑の美味しかったこと!
葛は消化がよくとても身体にいい食品です。身体のために食べるなら「吉野葛」ではなく「吉野本葛」100%だけで仕上げるべきと考えられ、砂糖は阿波和三盆が使われています。
自然な甘さと、中井さんの手によって丁寧に練られて、これ以上はないというくらい滑らかに作っていただいた本葛湯。身体の芯まであたたまり、お腹に優しく沁みわたりました。
「葛会」の最初にまず教えていただく「吉野葛」と「吉野本葛」の違い。実は見た目がこれほど同じとは知りませんでした。↑
その後、「吉野葛」と「吉野本葛」で葛もちを作って味くらべをするのですが、口に入れると、なるほど後口が全然違うのでした。
そして、作りたての透明な葛もちと、しばらく置いて白くなった葛もちの味の違いも、食べ比べるとかなり違うことがわかりました。

この透明度の違い!!↑
中井さんに葛切り作りを実演していただいた後に、いよいよ参加者も葛切り作り体験ができるのですが、これが簡単なようでいて意外に難しいのです。でも傍で丁寧に指導してくださるので、肩に力が入りながらも、最後には綺麗に出来上がってとても楽しかったのでした。

前後に揺らせて均等に湯煎するのが難しい!
でも純白の葛粉が透明になっていく瞬間が感動的でした!

丁寧に剥がしていく順番を教わりながら作業を進めていきます。

ふ〜、私にも出来ました!
包丁を入れた時の弾力、そして口に入れた時のほのかな弾力。
自分で作っていただくとまた格別な美味しさでした。

吉野の材をふんだんに使った素晴らしい室礼の中で、葛と遊んだ2時間半の時間は、蔵王堂の静謐な雪景色とともに忘れられないものになることでしょう。
葛にまつわる冊子が出来上がり、それがWEBに公開されましたらまたご案内致しますのでお楽しみに!

「中井春風堂」
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山545(吉野金峯山寺門前)
TEL:0746-32-3043
HPはこちら/FBページはこちら