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2012年5月17日木曜日

御遠忌800年記念特別展「解脱上人 貞慶―鎌倉仏教の本流―」

奈良国立博物館で開催中の「解脱上人 貞慶」展へ行ってきました。

貞慶さんは、鎌倉時代前期に活躍した僧で、南都仏教を再生した立役者でありながらも、残念ながら一般にはほとんど知られていません。
今年の800年御遠忌を機に貞慶さんの偉業を紹介するこの特別展。


実は私も今まで「解脱上人 貞慶」さんを知りませんでした。
この展覧会をきっかけに実はすごい人だったと知ることができ
これから、奈良のお寺を語る時には貞慶さんの功績無しには語れない人なんだと改めて思った次第です。

ここで簡単に貞慶さんのプロフィールなどを・・・。

平安末期、藤原の貴族の家に生まれるも5歳で生家が政争に敗れ没落。
(貞慶は大河ドラマ「平清盛」に出てくる、阿部サダヲ演じる信西の孫になります。)
8歳で興福寺に入って学僧として将来を大いに期待されますが
39歳で興福寺を去って笠置寺に、後に54歳で海住山寺に移ります。
興福寺のエリート僧からフリーとなったこの間に
由緒ある寺々の復興や法相教学の確立、戒律の復興に努めて
南都仏教のみならず仏教思想の再生に尽力をしたすごい方です。

展覧会ではゆかりの寺々からたくさんの宝物が出陳されていています。
中でも美しいと心惹かれたのは現光寺 十一面観音坐像↑や
東大寺中性院の弥勒菩薩立像↓など
また海住山寺の四天王像はみな鮮やかな彩色が残っていて見応えあり。
他にもすごいなぁと眼福の御仏さま多数お出で下さっています。
今月27日までですが、22日よりお出ましの浄瑠璃寺 吉祥天立像と
先日15日よりお出ましの海住山寺ご本尊十一面観音立像を拝観に
最後にもう一度行ってみたいと思っています。

それにしても・・・何故、こんなにすごい南都仏教の恩人のような方を今まで知らなかったのだろう・・・。

御遠忌800年記念特別展「解脱上人 貞慶―鎌倉仏教の本流―」については、奈良国立博物館のこちらをご参考にして下さい。