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2010年8月1日日曜日

「なら仏像館」鑑賞記*

奈良国立博物館本館が、この夏「なら仏像館」として生まれ変わり
開幕記念特別展として「至宝の仏像展」が開催されています。

仏像の素晴らしさをより感じることが出来るように
照明設備も一新されたということで、期待しながら入館しました。

まず、なるほど!と思ったのが、三十三間堂の千手観音像でした。
数日前に奈良博新館「仏像修理100年」でこの千手観音像の展示を
見たばかり。同じ観音像でも照明の工夫で雰囲気が違って感じます。

照明の美しさと言えば、陰影の美。
仏像の光背のシルエットが背後の壁に映し出されて
幾層にも重なったシルエットの厚みが、調和のとれた美を醸し出し
輝く光で、あたかも仏様を荘厳しているかのよう。
浄土寺の阿弥陀如来立像の光背をみてそんな風に感じました。
また浄瑠璃寺の馬頭観音菩薩立像の、燃え立つような形の光背の
影にもちょっとドキッとしてしまいました。

そしてそして。
特筆すべきは「東大寺法華堂 脱活乾漆金剛力士像」の素晴らしさ!
法華堂(三月堂)が拝観停止になる少し前にも見ているのですが
あの三月堂にいらっしゃった二像とはとても思えないくらい
すごい迫力で迫ってきます。「オーラ」とはこういうものかと
すとんと納得できます。一見の価値有り。必見です!

※8/3 10:00より東大寺一門による仏像仏画法要が営まれますが
場所は「なら仏像館 第3室」とHPに書いてありました。
ということは!金剛力士像の前ではありませんか!すごい!

余談ですが・・・。
この仏像仏画法要は、寺外にお出ましになった信仰の対象である
仏像仏画を、東大寺と興福寺によって交互に供養するものです。
(2009年冬の法要の様子はこちらです。)←このブログ記事にも
書いたのですが、国宝であっても位の低い仏像の前では法要を
行われないようなので、今回の東大寺の法要はどの仏像の前で
されるのか、ちょっとした賭けをしをんさんとしたのでした。
(業務連絡:私の負けで〜す。お茶おごります〜・・・)

奈良国立博物館は7月31日(土)~8月15日(日)の間は、
午後7時まで開館されていますので(月曜日は休館)
「光とあかり祭」(7/31~8/4)「なら燈花会」(8/5~8/14)
「東大寺万灯供養」「春日大社万灯籠」「大文字送り火」(8/15)
と合わせてどうぞお楽しみ下さい。

::
「文化財保存修理所」特別公開のお知らせが掲示されてました。
9/8と9/15に行われます。往復はがきで事前申込み。
クリックで大きくなります。↓